東京応化助成金 成果発表会に参加 (2024/10/23)

【日時】2024年10月23日 12:30-13:30
【場所】 Hotel ARU KSP (川崎市高津区)
【概要】
東京応化科学技術振興財団は科学技術や教育の振興を促すための助成事業を行なっています。理事長は酸化チタン表面の光触媒作用の研究で有名な藤嶋 昭 東京大学特別栄誉教授が務めておられます。
今回、24年度科学教育の普及・啓発助成対象の方々の表彰式に併設して、各団体の成果発表会(ポスター展示)が開催され、当ラボは助成と無縁にもかかわらず、成果の見学と人とのつながりを求めて参加しました。

【トピックス】
85件の出展があり、おおまかにボランティア団体21件、公的/公益団体20件、大学高専19件、小中教員団体10件、その他15件。ボランティア系では理科で遊ぼう会を筆頭にアトリエ・アルケミスト、町田市少年少女発明クラブといった当ラボ関係団体の展示がありました。時間制約の都合で、ボランティア系と小中教員系に絞って見学しました。
・ボランティア系
出展団体は会員数の多寡で二極化している印象で、大規模団体はディレクトフォース、おもしろ科学たんけん工房、かながわ子ども教室、科学読物研究会などで長い歴史がおありです。中には会員の役割分担が明確で指導員研修まである団体もあります。大人数ゆえ、テーマ教材はいずれもしっかりと練り上げられているようです。小規模団体は当ラボ同様、1人で何でもやる形態で手作り感あふれる教材が印象的です。
インタビューした団体に共通する点は講座中の理科に直接関係ない作業は少なくしていること、教材はネット情報をヒントにするもののオリジナルに仕上げていること、実験の結果を子供に予想させるような問いかけを行なっていることなどです。
・小中教員系
大半の団体が神奈川県下の小中学校教員の研究会で、文科省が意図する主体的・協働的学びや探究学習などの文言が発表タイトルに含まれるのが多く目立ちました。そのためか、ポスター内容から具体的な内容が見えず、説明員も不在という状況が残念でした。
一方で、個別学校名で日々の実践事例を発表した団体や地域の教員有志で定期的に教材研究や出前講座を実施している団体などからは熱意が伝わってきました。
【所感】
各団体ができるだけ広い地域で多くの子供たちに理科の楽しさを伝えたいと日々奮闘する様が伝わる成果発表会でした。その広範な活動を支えているのが東京応化の助成事業であると実感しました。会場を訪れた藤嶋理事長に対する参加者たちの眼差しがそれを如実に物語っているように見えました。全国に同志がいることに意を強くし、今後も精進したいと思います。

理科で遊ぼう会のポスター
アトリエ・アルケミストのポスター
町田市少年少女発明クラブのポスター