「CDで見える虹」@金井中 科学部 (2023/03/09)

【実施場所】金井中学校 科学部
【日時】3月9日 14:50-17:00

【全体概要】
科学部在籍の3年生11名を対象に分光器作製と分光器による光の回折現象分析をテーマとして特別部活動を行ないました。落ち着いた雰囲気があり、工作作業においては自発的に互いをサポートし合う様子もみられ、さすが中学3年生だなと感心しました。今回は初めての中学校における小規模授業であったため生徒にアンケート調査を行なったところ、面白さ/理解度/満足度ともに4分の3の割合でポジティブ評価という好感触での発進となりました。皆さん、卒業おめでとう!!

【授業のポイント】
① 各人がCD片とボール紙工作による簡易分光器を作製。
② 自作分光器による各種白色光のスペクトルを観察。まずは素朴にスペクトルの美しさを感じてほしい。次に各種光源スペクトルの共通点と異なる点の抽出を各自で行なった後のグループ討論により仮説を設定。
③ 個人演習とグループ討論を通して水面波の性質を理解した後、レーザー光回折を演示実験。
これにより光源に共通する光の波動性と回折パターンの波長依存性を直観的に理解。
④ 光源別のスペクトルを例示することで、光源差異に対する仮説を検証。
②の「差異分析」の手法は論理的思考のツールとして、理科に限らず、物作りにおける不良解析、さらには進路選択時の自己分析のような類似の事象分析に適用可能と考えられます。

【振り返り】
今回は差異分析の手法、簡易な系(水面波)理解から複雑な系(光波)理解に進むステップアップ手法といった知の技法をフィーチャーした授業を組み立てました。最後のまとめとして、こうした手法とその有用性を生徒たちにも説明しました。科学部員であればこそ、科学が多方面で役立つものであることに気づきを得て、卒業の記念と新たな進路へのはなむけとなればうれしい限りです。

分光器作製の様子
分光器による光源観察
グループ討論の風景